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第3回:日本の巻

定番カレンダー!の旅

第3回:日本の巻

台湾在住の書体研究者、柯 志杰さんが旅先でみつけたその国らしさあふれる「定番カレンダー」を紹介、第3回目は日本のカレンダーです。他のアジアの国々とは違う、日本らしさとは、はたして?

第3回:日本の巻

これまで、ミャンマータイの定番カレンダーをご紹介しました。

さて、ちょっと考えてみてください。日本の定番カレンダーって、どんなものですか?  これが意外と難しい問題かもしれません。

実はこの連載を始めてから、自分に一番身近である台湾の定番カレンダーも探してみたのですが、なかなか決められないのです。

ある程度経済が発展して、デザイナーカレンダーが複数売れるような環境になると、なかなか共通のデザインが見つからないのです。

でも日本に旅したある日、とある百円ショップと、別のディスカウントストアと、それぞれの店でまったく同じデザインのカレンダーが販売されていることに偶然気づいて、ああこれが定番カレンダーかもしれない、と思うに至りました。(まあ下請けが同じだけだな)

それが、こちらです。

これまでの定番カレンダーと比べて、なんか超すっきりしてない?(笑)

ミャンマー、タイの定番カレンダーのように大量の情報が入っていません。

日本では、明治の頃、旧暦(天保暦)が廃止され新暦が実施されて以来、ほぼ全ての祝日・祭日が全部新暦に当てられたため、旧暦は日常生活から無くなっていきました。

東アジア・東南アジアから見ても、あれだけ長い年月使われていた旧暦が、完全に姿を消している日本のカレンダーは、かなり珍しいかもしれません。


でも実は日付の隣に書いてある六曜、つまり「大安」「赤口」「先勝」「友引」「先負」「仏滅」の文字は、旧暦によって表示されているんです。では六曜はどのようにして表記されているか。

ルールは簡単、

  • まず、① 原則的に「大安」「赤口」「先勝」「友引」「先負」「仏滅」の順で六つを繰り返す
  • そして ② 旧暦各月の一日から、旧暦の月の数字と旧暦の日の数字の和が6の倍数だった場合は、その日が大安の日になるようにずらす。

このルールを覚えれば、旧暦の日付を逆算することが可能です。

例を見ると分かりやすいです。上のカレンダーを見てください。おおむね上記六つの順番で繰り返していますよね。

ただひとつ違うところがあります。それは14日が「先勝」であるけど、15日が「友引」じゃなくて「仏滅」であること。つまりここでひとつの区切りがある。5月15日が旧暦のある月の一日ということになります。

でも何月でしょう? 翌日の16日、つまり旧暦二日が大安ですね。上記の ② のルールのとおり、大安の日は「月の数字と日の数字を足して6の倍数」じゃなければなりませんから、日の数字に2を入れて

  • ?(月)+ 2(日)= 6の倍数

すなわち

  • 4(月)+ 2(日)= 6
  • 10(月)+ 2(日)= 12

ということで4月・10月のどちらかです。新暦の5月が旧暦の10月になることはないので、5月15日は旧暦四月一日ということになります。(まあ閏月のはなしもありますがそれはさて置き……)


というわけで、他の国みたいにたくさんの暦を表示していないことがわかりましたが、それにしてもこのカレンダー、空きが多すぎない?

そうですよ。わざと空間を残しているんですね。罫線とか描いてあるし! メモや行事を書かせるためのデザインですね。

まあ他国もこういうデザインはなくはないですが、日本の場合ほぼこれが定番であることに気づきました。毎年書き換える手帳みたいに、日本ではカレンダーに何かを書き込む需要が多いですね。

ということで、これを日本の定番カレンダーに認定いたします。


あなたにとって、日本の定番カレンダーはどういうものですか。 twitterで教えてください。ハッシュタグは #定番カレンダー で!

2018年5月23日

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定番カレンダー!の旅

柯 志杰

柯志杰 (But Ko)
書体研究者、本職はプログラマー。街文字などで盛り上がるFacebookグループ「字嗨」の設立・管理者。共著に『字型散歩:日常生活的中文字型学』(臉譜出版、2014)がある。『タイポさんぽ 台湾をゆく』(誠文堂新光社、2016)コラム担当。

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