文字による文字のための文字のサイト

トーハクにいつ行くの、いまで書!

ほぼ二字コラム

トーハクにいつ行くの、いまで書!

書をみよう。トーハクに行こう

僕、トーハク(東京国立博物館)が好きなんです。

というのを事あるたびに言っていて、「マンバ通信」というサイトでも本題のマンガの話に至るまでのイントロで、僕のトーハクでの観覧コースを長々と書いていたりします。

今回「マンバ通信」のそのページをあらためて読んでみて、実はその記事がいまから一年ちかく前の話で、それ以降連載がすっかり滞っていることに気付いてしまいました。URLがモロに日付なんだもんなぁ。

そんな連載の停滞っぷりがバレるというリスクを冒してまでも、こうして記事を書いているのは何故か。それは、トーハクで「書」の展示を中心に見ている僕が、文字好きにとって、いまこそが大注目のタイミングだよ〜! と大声でお知らせしたい気持ちにほかならないからです。

というわけで、さっそくトーハクの書、ご案内します!

壱・中国の書

トーハクについてチケット買って入場したら、まずおすすめしたいのが右側に建ってる「東洋館」の4階。8室が「中国の書跡」のコーナーなんですけど、ここで「漢時代の書」というのをやってます(2018年6月24日(日)まで)。漢の時代に使われていたのは隷書。「乙瑛碑」をはじめ「礼器碑」「史晨碑」といった碑文がズラリと展示されてます。

「乙瑛碑」(部分)/後漢時代・永興元年(153)

さらに、天然の崖に刻んだ「開通褒斜道刻石」というやつも見ることができます。「褒というところから斜というところへの道が開通したよ、と刻んだ石」です。これは「おおお、彫ってんなぁ」というのが目に見えるようで、すごいですよ。

「開通褒斜道刻石」(部分)/後漢時代・永平9年(66)


弐・日本の書

東洋館をでたら本館に入って2階へゴー。特別1室で「ひらがなの美―高野切―」という企画をやっています(2018年7月1日(日)まで)。平安時代の仮名「高野切」には第一種、第二種、第三種とあるんですけど、それぞれの筆者の、その書風の違いを別の作品でも見れたり、類似した同時代の書も並んでいて、あれこれ比較しながら見ることができるのでなかなかに面白いです。

「高野切本古今和歌集・巻第十九断簡」/伝紀貫之筆 平安時代・11世紀
東京国立博物館研究情報アーカイブズより)

本館には「平安の古筆」と「近代の書」コーナーが常にあって、そこでなにかしら展示はしているんだけど、今回のように、ひと部屋まるっと「高野切」特集みたいなのはあまり無いので見逃せません。

さらに、次に紹介する森鴎外の筆跡は「硬筆」なので、どうしても「毛筆」ばかりが展示されがちな「近代の書」においても貴重な機会だと思います。


参・近代の書

ということで本館1階に降りたらぐるっと奥の15室まで。「就任100年 帝室博物館総長森鷗外の筆跡」というのをやっていて(2018年7月8日(日)まで)、そのタイトルのとおり帝室博物館(東京国立博物館の前身)の総長もつとめた森鴎外が、書類に書いた筆跡などを展示しているというもの。

「上野公園ノ法律上ノ性質」(部分)/森林太郎・大正9年(1920)
東京国立博物館研究情報アーカイブズより)

鴎外もこんな書類まで人の目に晒されるとは思ってもみなかったろうけど、人の筆跡をみるのは楽しいですよね。

森鴎外に関しては、NHKラジオでやってる『舞姫』と鴎外についての講座も参考にすると、その人となりをより知ることができて面白いかも。


どうです、こんなかんじで中国・日本・近代の書がいっぺんに見れちゃうトーハク、いいですよね。ていうかそもそも東洋館での中国の書、本館での日本の書、近代の書はそれぞれ企画はやってますけど、今回みたいに豪華な特集が重なるのは惑星直列に近いタイミングかも。

しかも総合文化展といって、いわゆる常設展の料金で済むし、特別展のようにメチャ混みも無いのでとってもいいかと。なんたって東京国立博物館キャンパスメンバーズってところのリストに載ってる大学の学生などは無料で見れますからね。おトク極まりない。

さらに書に興味をもったら、足をのばして書道博物館まで散歩してみるとか、あるいはいっそ動物園でシャンシャン観るとかもできるし。とにかくまずはトーハク行ってみるのはどうでしょうかー。

(2018年6月9日時点の情報です)

2018年6月9日

シェア

ほぼ二字コラム

塚田哲也

大日本タイポ組合のひとり。新世界タイポ研究会のメンバーでもある。ソロ活動として、デザイン関連ダジャレコンテスト「グッドデザイソ」をtwitter上で開催中。

連載記事一覧
今日
昨日
おととい
ちかごろ
あいうえお かきくけこ さしすせそ たちつてと なにぬねの はひふへほ まみむめも やゆよ らりるれろ わゐゑを ん がぎぐげご ざじずぜぞ だぢづでど ばびぶべぼ ぱぴぷぺぽ 0123456789.
連載記事一覧
連載記事一覧
ほぼ二字コラム
エンブレム最終4候補を書体でみてみる
エンブレム最終4候補を書体でみてみる
東京2020大会エンブレム最終候補4作品が4月8日に発表されて、25日に最終決定されるとか。前にも書いたようにエンブレムそのものはもちろん、それに伴って開発されるオリジナル書体もホントは注目していきたいところ。最終候補に使われている書体はどんなもんなんでしょうか。軽く調べてみまし…
ほぼ二字コラム
ここ最近の五輪エンブレムとオリジナル書体をおさらい
ここ最近の五輪エンブレムとオリジナル書体をおさらい
2020年の東京オリンピックエンブレムに関しては日々話題に事欠きませんが、ここであらためて近年のオリンピックエンブレムのデザインと、それに伴って開発されているオリジナル書体について、いま一度おさらいをしてみましょう。