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背番号の書体でみるワールドカップ2018

ほぼ二字コラム

背番号の書体でみるワールドカップ2018

ついに開幕したワールドカップ2018ロシア大会。なんだかんだいって始まると観ちゃいますよね。気付けばすげぇプレーの連続で、寝不足不可避で心配です。

さて、プレーもさることながら、どの国のユニフォームがかっこいいかな、なんてのも気になりますよね。んでもって目がいくのはその背番号。デザインもいろいろ違っていて、それを観るのも楽しいです。というわけで、ロシア大会出場チームのユニフォーム、背番号のデザインについて調べてみました。

ユニフォームの仕様に関して、FIFAから100ページ以上にもおよぶガイドラインが用意されていて(なぜか表紙は2014年ブラジル大会の日本vsコロンビア)背番号もここに則って配置されています。

アディダス

今大会最多の12ヶ国のユニフォームはアディダス製。開催国のロシア、前大会優勝のドイツ、準優勝のアルゼンチン、そして我が日本、さらには初戦の対戦相手となるコロンビアが着用します。

ロシアのジュバ。開幕戦で交代直後にヘディングを決めました

背番号を含むタイプフェイスは、おそらくアデイダスのインハウスデザイナーによるもので、どの国のモデルも直線を基調としたカクカクしたデザイン。ロシア構成主義からインスパイアされたものといわれています。

※ アディダスのプレスリリースはこちら

ナイキ

優勝候補のオッズも高いブラジル、バロンドール2年連続受賞のロナウド擁するポルトガル、日本の対戦相手ポーランドらのユニフォームは、今大会10ヶ国を請け負うナイキによるもの。こちらもインハウスのデザイナーによるデザインと思われますが、ジオメトリックな書体を基調にしながら、力を入れている国には特別なデザインを採用しています。

開幕戦からサウジアラビアのタイサー

現時点で唯一分かっているのは、イングランドの背番号のデザインはクレイグ・ワードがデザインしているということ。イングランドの国旗のセントジョージクロスを元に3D化しひねったりしたデザインにしたとのことです。

ちなみに2014年ブラジル大会の際は、ネヴィル・ブロディのデザインでした。いつもイングランドだけ別個にデザイナー立ててんのなんでだろ。フットボール発祥のプライドなんでしょうか。いまはナイキ製ですがかつてアンブロ製のユニフォームだった2010年の頃は、ピーター・サヴィルがユニフォームそのものをデザインしたりしてたもんなー。

4年前はオランダの背番号を ウィム クロウェル(6月23日までgggで展覧会やってます!)がデザインしていましたが、今回は出てないからね……。

※ ナイキのプレスリリースはこちら

プーマ

2010年のアフリカ大会から、アフリカのチームへのスポンサードに力を入れてきたプーマ。Commercial TypeがデザインしたGabrielloという書体をアフリカのチーム共通で使うなど面白い試みも行ってきましたが、今大会ユニフォームの提供は4ヶ国にとどまりました。日本と二戦目にあたるセネガルも、このユニフォームを着用します。

左がウルグアイ。「2」とか「5」とかすごいですよね。 右のエジプトはカクカクしたフォントなのでアディダス製であることが分かります

アディダス、ナイキと比較すると奇抜というかファンキーな背番号の印象があります。ロンドンのデザインスタジオGBHがDalton MaagとGaffer というフォントをデザインし、イタリアのユーロ2012のユニフォームにも使われていましたけど、ファンキー路線はこの影響が大きいかもしれないですね。でも、今大会はイタリアいないからね……。

ということで、大手3社の背番号を見ましたが、カクカクしていたらアディダス、骨っぽいファンキーな形はプーマ、残るジオメトリック系がナイキのバリエーション、という区分けができるでしょう。他にもいくつかのブランドが参戦していますが、それらもどういうデザインになっているかも見モノです。


以下は、各グループごとのユニフォームのスポンサーを調べたもの(おれの独自調べ)。

  • グループA

    • ロシア(adidas)
    • サウジアラビア(Nike)
    • エジプト(adidas)
    • ウルグアイ(Puma)
  • グループB

    • ポルトガル(Nike)
    • スペイン(adidas)
    • モロッコ(adidas)
    • イラン(adidas)
  • グループC

    • フランス(Nike)
    • オーストラリア(Nike)
    • ペルー(Umbro)
    • デンマーク(Hummel)
  • グループD

    • アルゼンチン(adidas)
    • アイスランド(Erreå)
    • クロアチア(Nike)
    • ナイジェリア(Nike)
  • グループE

    • ブラジル(Nike)
    • スイス(Puma)
    • コスタリカ(New Balance)
    • セルビア(Puma)
  • グループF

    • ドイツ(adidas)
    • メキシコ(adidas)
    • スウェーデン(adidas)
    • 韓国(Nike)
  • グループG

    • ベルギー(adidas)
    • パナマ(New Balance)
    • チュニジ(Uhlsport)
    • イングランド(Nike)
  • グループH

    • ポーランド(Nike)
    • セネガル(Puma)
    • コロンビア(adidas)
    • 日本(adidas)

ちなみに今大会のエンブレムは、Brandia Central というポルトガルのブランドコンサルティング会社によるものだそうで、それを元にカスタムフォントを制作したのは ADOTBELOW のようです。こちらのフォントも気になりますね。

2018年6月16日

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塚田哲也

大日本タイポ組合のひとり。新世界タイポ研究会のメンバーでもある。ソロ活動として、デザイン関連ダジャレコンテスト「グッドデザイソ」をtwitter上で開催中。

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