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文字目線でみる「デザインあ展 in TOKYO」

ほぼ二字コラム

文字目線でみる「デザインあ展 in TOKYO」

「デザインあ展 in TOKYO」が日本科学未来館で10月18日(木)まで開催中です。2013年に21_21 DESIGN SIGHT で開催され大人気だった展覧会をさらに発展させた本展覧会、富山での展示につづく東京巡回展です。

当サイトでは、文字好き目線でみた観覧ガイドをご案内。夏休みのお出かけの参考にぜひどうぞ。

デザインあ展 in TOKYO

「デザインあ展 in TOKYO」は、NHK Eテレ「デザインあ」のコンセプトを実際の体験に発展させる展覧会です。会場は「観察のへや」「体感のへや」「概念のへや」に分かれており、身のまわりのモノ・コトから概念までテーマを掘り下げて体験できるようになっているとのこと。

観察のへや

「観察のへや」の「なまえ」のコーナー

まず最初の部屋は「観察のへや」。身のまわりにあるモノ・コトから「お弁当」「マーク」「容器」「からだ」「なまえ」の5つのテーマが取り上げられています。文字要素が多めなのは「なまえ」のコーナーです。

それぞれのテーマはさらに「みる」「考える」「つくる」というステップに分かれて、観察の度合いを深めていきます。

全国名字かずくらべ(パーフェクトロン)

まずは「みる」のステップ。『全国名字かずくらべ』(パーフェクトロン)では、日本全国の名字が、あいうえお順に並べられ、数の多い「佐藤」「鈴木」といった名字ほど大きい面積で表示されるようになっています。めちゃめちゃレアな自分の名字が見つかって喜ぶ姿も。

全国名字かずくらべ(パーフェクトロン)

名字のデータベースを元に、50音順でありながらきれいなグリッドに区切ってレイアウトするアルゴリズムの構築が、なかなか大変だったようです。

目には「め」を、歯には「は」を(パーフェクトロン)

その裏側にまわると、とある学校の教室の写真。のように見えて、この写真に近付いてみると……

んっ!? 網点か? もっと近寄ってみると……

あっ! それぞれの「なまえ」が書いてあるぅ〜〜!

ネタバレ感がありますけど、寄りと引きの見え方の違いの面白さや、この部分にこんな名前がついてる! という驚きなどなど小ネタ満載で、実際に会場で体験しないとこの面白さは伝わりません。

すべてのモノにつけられている名前をそのモノにつけてみた、というシンプルなアイデアのこちらは、パーフェクトロンによる『目には「め」を、歯には「は」を』というもの。ネーミングがすっごく良すぎてくやしい。

かんばん「あ」(のらもじ発見プロジェクト)

そのとなり「考える」のステップでは、のらもじ発見プロジェクトの『かんばん「あ」』が。街のお店の看板の文字からデザイン要素を抜き出して、その看板にはない「あ」「ア」という文字をデザインしよう、ということをやっているようです。

名は顔をあらわす(大日本タイポ組合 + 奥田透也)

そして「つくる」のステップ。こちら『名は顔をあらわす』(大日本タイポ組合 + 奥田透也)。名前を入力すると、自分の名前で顔がつくられる、というものです。人それぞれに名前があって顔がある。名前と顔を一致させよう、という試みです。

目、鼻、口にそれぞれ配置されるひらがな文字のデザインは、「もじうご」でもおなじみ宇野由希子さんに作ってもらいました。


マークをつくる(岡崎智弘)

「なまえ」のコーナー以外でも、「観察のへや」では「マーク」のコーナーで、スマホの絵文字などでもおなじみの交通標識や工業製品についているマークを自作できる『マークをつくる』(岡崎智弘)といったものがあります。

体感のへや

「あのテーマ」(中村勇吾)

「体感のへや」は、360度全方位プロジェクションと爆音による音と映像のコンテンツを、まさに体感するところ。ループで流れる4つの映像のうち、みんな大好き『あのテーマ』(中村勇吾)では、「あ」の文字がコーネリアスのサウンドに合わせて踊ったり膨らんだり尖ったり吹き飛んだりします。

「あのテーマ」(中村勇吾)


森羅万象(高野光太郎)

「紋」は昔のアイコン、ピクトグラム、絵文字とも言えるのであれば、『森羅万象』(高野光太郎)もオススメ。音も絵もかっこいい。音楽はもちろんコーネリアス。

概念のへや

さらに進んで「概念のへや」。「くうかん」「じかん」「しくみ」という概念をモチーフに、それらをデザインによって知ることができます。

これら概念って、どう説明したらいいのかなかなか難しいものですが、たとえば「あ」の文字をモチーフにすることで、簡単に分かりやすく体験できるようなものとなっています。

とおい「あ」ちかい「あ」(plaplax + 齋藤雄介)

「くうかん」のコーナーでは、「あ」という文字との距離で空間を知る『とおい「あ」ちかい「あ」』(plaplax + 齋藤雄介)があります。

はやい「あ」(岡崎智弘)

「じかん」のコーナーでは、『はやい「あ」』(岡崎智弘)で高速撮影される「あ」のモチーフがアニメーション(ゾートロープ)のように動いてみえると思いきや、逆に『おそい「あ」』ではゆっくりと動く「あ」が高速再生されていて、時間の概念がぼんやりと、だけど体験することができます。

じかんがくる(細金卓矢/小山田圭吾)

細金卓矢さんによる『じかんがくる』は、「えんえん」や「いっしゅん」「ずーっと」といった時間に関することばが小山田圭吾さんの音に合わせ、それぞれの動きでアニメーションします。これは静止画じゃまったく分からないですね。このループ映像はやみつきになって、見ているとつい時間が経つのを忘れてしまいます。まさに時間の概念を。


という感じで、文字目線でみてみた「デザインあ展 in TOKYO」いかがだったでしょうか。

そうそう、展示の最後に販売コーナーがあるんですが、そこに置かれた関連商品にも『もふもふ「あ」』とか、砂浜に「あ」という足跡を付けられるビーチサンダルとか、ここぞとばかりに「あ」が溢れていて「一体なんなの!?」っていうアイテムもあったりします。でも欲しい。もふもふしたい。

もちろん、文字目線以外のコンテンツもたくさん、「デザインあ展 in TOKYO」は日本科学未来館で10月18日(木)まで開催です。

日本科学未来館のシンボル「ジオ・コスモス」越しに「デザインあ展」を


デザインあ展 in TOKYO

日本科学未来館

  • 会場:日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン
  • 会期:2018年7月19日(木)― 10月18日(木)
  • 開館時間:10:00ー17:00 ※入場は閉館時間の30分前まで ただし、土曜日、祝前日(9/16、9/23、10/7)、8/10~18は20:00まで開館、 常設展は17:00に終了
  • 休館日:9月4日(火)、11日(火)、18日(火)、25日(火)、10月2日(火)、9日(火)、16日(火)
  • 主催:日本科学未来館、NHK、NHKエデュケーショナル、NHKプロモーション
  • 入場料:大人(19歳以上):1,600円 (1,400円)
        中人(小学生~18歳以下):1,000円 (800円)
        小人(3歳~小学生未満):500円 (400円)
    主なチケットの販売所:日本科学未来館(当日券のみ)、 展覧会公式サイト、主要プレイガイド
2018年8月7日

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塚田哲也

大日本タイポ組合のひとり。新世界タイポ研究会のメンバーでもある。ソロ活動として、デザイン関連ダジャレコンテスト「グッドデザイソ」をtwitter上で開催中。

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