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ここ最近の五輪エンブレムとオリジナル書体をおさらい

ほぼ二字コラム

ここ最近の五輪エンブレムとオリジナル書体をおさらい

2020年の東京オリンピックに関しては、エンブレムの再審査が進んでいる一方で、旧エンブレム選考での不正の発覚など話題に事欠きませんが、ここであらためて近年のオリンピックエンブレムのデザインと、それに伴って開発されているオリジナル書体について、いま一度おさらいをしてみましょう。


2012年のロンドン、2016年のブラジルと、近年のオリンピックはエンブレムと同時開発されたオリジナル書体のタッグによるブランディングを行っています。2020年の東京オリンピックに関してはエンブレムと書体ははたしてどのように開発されていくのか、とても気になるところであるのですが、まずはこれまでのふたつのオリンピックを見てみましょう。

2012 London

ギザギザのエンブレムと、それに伴うオリジナル書体とが相俟って強いインパクトをもたらしたのは、2012年ロンドンオリンピックでした。

「2012」をタイポグラフィックにあしらったエンブレムは、ブランドコンサルタント会社 Wolff Olinsによるもの。実はWolff Olinsによるエンブレム制作は2004年のアテネオリンピック以来8年ぶり2度目。コンペではなく指名だったとか。ついでに言うと東京メトロのシンボルマークとかDeNAの新ロゴをやったのもココ。

オリジナルの書体は、 David James と Gareth Hague によるデザイン会社 Aliasが制作。もともとWolff Olinsがロゴ制作時に使っていた、Alias 制作のフォントKluteを起点として、新たに作られたものです。トラックのレーンナンバーにも使われてたのカッコよかったな。

オリンピック開催の5年前、すなわち2007年にこのエンブレムが発表された際にはけっこうボロクソ言われていましたが、その当時10代前半だったキッズがティーンエイジャーになる2012年には80年代ブームが来る! とのリサーチに基づいたものだったとか。結果、ものの見事にハマったようです。

2016 Brasil

一方、2016年に開催されるブラジルオリンピックのエンブレムは、曲線を多用したデザイン。

エンブレムはリオ・デ・ジャネイロのデザイン会社 Tátilによるもので、ブラジルの国旗の緑・金・青の3人が手をとりあう姿は、リオの象徴である山、ポン・ヂ・アスーカルから形をとったということです。オリンピックパラリンピック、それぞれのエンブレムのメイキング映像を見ることができます。

エンブレムと調和したオリジナル書体「Rio 2016 Font」は、ロンドンのフォントファウンドリ Dalton Maagによって制作されました。手書きのようななめらかな曲線を自然に繋げて見せるために、幾度も修正作業が行われている様子が伺えます。オリンピック本番でどう使われるか見モノですね。


エンブレムとオリジナル書体がもたらすイメージとして、トンガったロンドンっぽさ、おおらかなブラジルっぽさ、を受けたとすると、東京オリンピックはどのようなエンブレム、そしてオリジナル書体が作られることになるんでしょう? 楷書体? 明朝体? それとも……?

2015年12月24日

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塚田哲也

大日本タイポ組合のひとり。新世界タイポ研究会のメンバーでもある。ソロ活動として、デザイン関連ダジャレコンテスト「グッドデザイソ」をtwitter上で開催中。

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