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「フォントかるたで遊びながら覚える、フォント選びのTPO」イベントレポート

イベントレポート

「フォントかるたで遊びながら覚える、フォント選びのTPO」イベントレポート

2018年5月24日(木)、「フォントかるた」のイベントがフォントかるた制作チームとハイブリッド型総合書店「honto」との共催で行なわれました。
内容は、「フォントかるたで遊びながら覚える、フォント選びのTPO」。 書体の知識や、選び方・使い方のレクチャーからはじまり、実際にフォントかるたを使って遊びながら学ぶことができるスペシャルイベントです。その模様をレポートします。


東京・市ヶ谷にあるDNPプラザにて行われたイベントは、 フォント制作チームによる「フォントかるた的フォントの基本」、
『秀英体』を開発する大日本印刷株式会社秀英体開発グループによる「秀英体開発グループに聞く和文書体の歴史」、

「フォントかるた体験会」の三部構成で行なわれました。

「フォントかるた」。取り札はすべて「愛のあるユニークで豊かな書体」の文字が、違った書体で組まれています。

第一部「フォントかるた的フォントの基本」

まず最初はフォントかるた制作チームによる「フォントかるた」の紹介。
フォントかるたは、詠みあげられたフォント名が使用された取り札をかるた取りで競うカードゲームです。普通のかるたと異なり、取り札に書かれている文言はすべて「愛のあるユニークで豊かな書体。」で統一されていますが、使用されているフォントはすべて異なる48+αのフォント。詠みあげられる書体名と、解説を頼りに札を探します。

制作チームはせきねめぐみ氏、伊達千代氏、星わにこ氏、横田良子氏の四名。
それぞれ企画・デザイン、解説文、ウェブサイト、ゲーム設計等を担当されています。最初は新年会でご自分たちが遊ぶ用に制作したのが、フォントかるた誕生のきっかけなのだそう。

「フォントかるた」制作チーム。右から順に、せきね氏、伊達氏、星氏、横田氏。

第一部「フォントかるた的フォントの基本」では、クイズ形式による用途にあわせたフォント選びのレクチャーが行なわれました。
「挨拶状に適したフォント」「おかしのパッケージに適したフォント」など、用途にあわせたフォント選びについて学びます。書体の分類については、来場者方の各テーブルで、実際にフォントかるたの取り札を眺めつつ説明。「明朝体」「ゴシック体」「デザイン書体」「筆・手書き」別に取り札を分類してゆきます。
それぞれの「見分けるポイント」を教えていただきました。

見分けが難しい丸ゴシック5書体、名付けて「丸ゴレンジャー」。これが取れたらすごい!

「見分けるポイントを自分で探していくのも楽しいですよ」とのこと。
フォントかるた制作チームから、「フォントはどのように作られるのでしょうか?」という質問で、第二部へとバトンタッチ。


第二部「秀英体開発グループに聞く和文書体の歴史」

第二部「秀英体開発グループに聞く和文書体の歴史」に登壇されたのは、大日本印刷株式会社秀英体開発グループの伊藤正樹氏と宮田愛子氏。
秀英体というフォントがどのように作られたかの様子と、秀英体の歴史について語られました。秀英体は大日本印刷の前身である秀英舍が、明治時代に金属活字書体として開発した歴史ある書体。
近年デジタルフォントとしてリニューアルされ、豊富なファミリー展開が行なわれています。

秀英体について語る伊藤氏と宮田氏(大日本印刷株式会社秀英体開発グループ)

フォントかるた制作チームからの「金属活字からデジタル書体に移行していく中で、変わったことと、変わらなかったことは?」という質問に、
宮田氏は「変わったことは使われる環境やメディア、変わらないことは読みやすさや美しさを守り続けていること」と答えました。
「秀英明朝の特徴は『い』の一画目と二画目の線が繋がっていること。ずっと切れたことがない。離す流れになった時もあるようですけれど……(笑)」

「い」が繋がっているのが秀英明朝の特徴。1896年から原図を一堂に並べてみました。

「秀英体シリーズのラインナップの使い分けはどうしたらよいでしょうか?」という質問には、様々な事例を紹介しながら伊藤氏が解説。

たとえば「金」と「銀」の二種類の“かな”をもつ「秀英角ゴシック」の印象の違い、昨年リリースされた「秀英にじみ明朝」の使用される場面の傾向などを語りました。

今回のイベントでは、非売品の「秀英明朝初號活字」と「石井中明朝体 MM-A-OKL」の札が参加者特典としてプレゼントされました。

左の「秀英明朝初號活字」は、昭和4年の活字見本帳から採取。句読点が無かったそうです。


第三部「フォントかるた体験会」

秀英体シリーズの見分け方のレクチャーもあった後で、いよいよ「フォントかるた体験」。

今回は、基本パックの48書体+特典の2書体の計50書体でゲームが行なわれました。星氏が読み手をつとめ、各テーブル4,5名が競いました。
スライドに映される読み札を参考にしてもOKのルールです。

テーブルごとに熱戦が繰り広げられました。

フォントかるたは、単にフォントに詳しい人が多くの札をとれるわけではないところがおもしろいところ。
フォントの微妙な差異を見分けて札を取る、と聞くと難しそうに思えますが、実際は読み札の解説に特徴やヒントがあるので、知らないフォントだとまったく手が伸びない……というわけでもないのです。
記憶力と反射神経がものを言うのは、通常のかるたと同じ。お手つきで裏面のフォント名を確認された札の位置をよく覚えておくと、後半有利になります。

特徴的なデザイン書体「プリティー桃」や、レクチャー内で話題にあがった「古印体」などが詠みあげられた時は、誰もがその札に真っ先に手が伸び、勝負は白熱したものとなりました。 非常にもりあがったフォントかるた体験。
各テーブルで一番多く札を取った方には、「フォントワークス編フォントかるた」が贈られました。


「フォントかるた」のウェブサイトでは、大人数でも一人でも遊べるルールが紹介されています。
ハイブリッド型総合書店「 honto」では、基本パックの他に二種類の拡張パックも販売されており、さらなる難易度をお求めの方におすすめ。基本セットおよびフルセットには、先にご紹介した「秀英明朝初號活字」と「石井中明朝体」の「フォントかるたスーパーレア札2種セット」が限定特典として付くそうです。フォントを学びながら、楽しく遊べる「フォントかるた」の魅力あふれるイベントとなりました。

(レポート:伊東友子

2018年6月4日

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