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『ぞなもし狩り』円城塔

文字文学

『ぞなもし狩り』円城塔

文字にまつわる小説・随筆などを青空文庫収録作品から一冊にまとめた『文字文学 Ⅲ』(type.center 編)掲載作品から円城塔の『ぞなもし狩り』一部分をご紹介いたします。


ぞなもし狩り

円城塔

 別府へは、ぞなもし、を狩りにきたのである。

一般に、「ぞなもし」といえば道後のもので別府にはいない。もっとも愛媛産の知人に言わせると、「ぞなもし」というものはないのだという。「ぞな、もし」と切れているのだそうだ。ただし、「ぞ、なもし」とする流儀もあって実はそちらが優勢だともいう。どこで切っても平気にしている生き物のような気配があり、およそ羊羹ようかんとか、すあまとか、ういろうとか、ああしたものの気配がする。
「しかし四杯は過ぎるぞな、もし」
「そりゃ、イナゴぞな、もし」
「なもしと菜飯とは違うぞな、もし」

といった形で生息している。道後温泉は、この「ぞなもし」を名産とする。佃煮つくだににしたり、クッキーに煎餅、饅頭まんじゅうに団子にアイスクリーム、シャツにキーホルダーにハンカチ、タオルにと、なににでも利用が可能だ。ただし生では体を壊す。地元の人は体の方が慣れている。


全文は『文字文学 Ⅲ』にて。BCCKSの機能を利用して、このままお読みいただくことができます。

この作品は、クリエイティブ・コモンズ「表示-非営利-改変禁止 2.1 日本」でライセンスされています。利用条件は、http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/2.1/jp/を参照してください。


他の作品も一冊にまとめた『文字文学 Ⅲ』は、各電子書籍ストアで配信されているほか、BCCKSでの電子書籍版『文字文学 Ⅲ』の閲覧は無料、文庫本サイズの紙本を注文し購入することもできます。収録作品はtype.center bcck storeでご覧いただけます。文学であじわう文字をお楽しみください。

2018年9月18日

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