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『触覚について』宮城道雄

文字文学

『触覚について』宮城道雄

文字にまつわる小説・随筆などを青空文庫収録作品から一冊にまとめた『文字文学 Ⅲ』(type.center 編)掲載作品から宮城道雄の『触覚について』冒頭部分をご紹介いたします。


触覚について

宮城道雄

 私は盲人であるので、ものの形を目で見るかわりに、手の感覚で探って見るわけである。そして、手の先も始終ものを触って見る練習が積めば、だんだん指先の感じが鋭敏になっていくものである。

盲人の用いる点字というものは、人も知っている通りに、紙を針の先で突いて、その出た方の点のならべ方で読むのである。すなわち、六つの点のならび方と、点と点との間隔で、いろいろの字になるのである。

その点字を、普通の練習しない人が撫でてみても、何が何だかわからないが、いつもやっていると、指先で撫でただけで読むことが出来るようになる。

指先をつかうことがだんだん慣れてくると、テーブルに手を触れただけでも、どこにきずがあるか、また、汚点があるかもわかるようになる。そして織物のようなものでも色はわからないが、縞の荒さなどは、どんなぐあいかということはわかる。私は変わったものを、目で見るかわりに、撫でてみるのが楽しみなのである。


つづきは『文字文学 Ⅲ』にて。BCCKSの機能を利用して、このままお読みいただくことができます。


他の作品も一冊にまとめた『文字文学 Ⅲ』は、各電子書籍ストアで配信されているほか、BCCKSでの電子書籍版『文字文学 Ⅲ』の閲覧は無料、文庫本サイズの紙本を注文し購入することもできます。収録作品はtype.center bcck storeでご覧いただけます。文学であじわう文字をお楽しみください。

2018年9月17日

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