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アヌティン・ウォンサンカコンさん(タイ/Cadson Demak.)

世界のタイプ道

アヌティン・ウォンサンカコンさん(タイ/Cadson Demak.)

世界各地にひろがるタイポグラフィーの世界を覗いてみませんか? 当連載「世界のタイプ道」では、世界各地の書体デザイナー、プログラマー、教育者、ベンダー、そしてこの書体を愛するコミュニティの基礎を支える多彩な方々へのインタビューを通して、タイポグラフィーという世界の魅力をお伝えしていきます。

前回よりしばらく間が空きましたが、今回はタイの書体ファウンダリカッサンディーマーク社の創設者であるアヌティン・ウォンサンカコンさんにお話を伺いました!

グラフィックデザインに適した書体を

1.ご自身について教えてください。

Anuthin Wongsunkakon

アヌティン・ウォンサンカコン(以下、AW): カッサンディーマークを創設しました。グラフィックデザイナーとして勉強する傍らでタイプデザインにも携わってきたのですが、徐々にタイプデザインがキャリアの大半を占めるようになりました。ニューヨークの大学院で勉強をしてタイに戻った際、当時、タイではタイプデザインのビジネスはあまり知られておらず、そのタイ市場でタイプデザインサービスを始めるのは良い機会だと思いました。そこから始まりました。


2.この業界に入ったきっかけを教えてください。

AW: 書体への愛ですね。私の性分です。課題があると解決したくなります。 タイには品質の良い書体や現代のグラフィックデザインに適した書体があまりありません。私自身グラフィックデザイナーでもあるので、グラフィックデザインにどのような書体が必要かを見極めることができます。ですので、グラフィックデザイナーの要望に合うタイプデザインを作りたいと思っています。

Cadson Demak Office


3.好きなアルファベットはどれですか?

AW: “I”ですね。一番簡単でただの線だから(笑)


  1. 新しいスタイルをデザインする時はどの文字を最初にデザインしますか?

AW: タイ語に関しては、頭の中にあるレファレンスによって異なります。

Helvetica Thai– the Thai version of Helvetica.


5.公開可能な範囲で現在取り組んでいるプロジェクトを教えてください。

AW: 国営企業であるクルンタイ銀行向けに書体を開発しており、誇りを持って取り組んでいます。保守的で古くやぼったい印象があるので、既成概念を取り除いて可能な限り、ベストとは言えなくても現代的で今までよりも明るい雰囲気にしたいと思っています。


BITSで世界の関心を東南アジアに

6.デザインしてみたい言語はありますか?

AW: カンボジア語に取り組んでみたいです。ラオス語、クメール語、タイ語はとても関係が深く、東南アジアの言語は文化、経済、デザインの点において相互に関連していくと思います。なので文字も一つの言語から別の言語へと展開していくでしょう。私自身そうであるべきだと思います。制作する際、一度に三つの東南アジアの言語を作成できるのに、なぜ1言語で終わらせてしまうのでしょう? 東南アジア進出を検討しているブランドが対応できるよう、3言語をカバーするフォントファミリーを制作するべきです。


7.仕事を始めるときのルーティーンはありますか?

AW: オフィスについたらスタッフとおしゃべりします。昨夜のニュース、朝のニュース、政治などいろいろ。当社では誰かがオフィスについたら、みんなが挨拶をする習慣があります。タイプデザインやグラフィックデザインに携わっているので、色々なことにアンテナを張る必要があります。例えばコミュニケーションデザインを手がけるのであれば、コミュニケーションスキルはとても重要ですし鍛えておくべきでしょう。

Cadson Demak Office


8.タイで書体イベントであるBITSを運営されていますが、他の書体イベントとどのように差別化を図っていますか?

AW: BITSは規模が小さく距離感が近くてとてもカジュアルなイベントで、東南アジア圏をターゲットとしています。ヨーロッパやアメリカのイベントよりも物理的に近く、低コストで参加できるからです。

また、BITSは世界の関心を東南アジアに向けることに注力しています。アジアと言うと日本・韓国・中国を先に思い浮かべ東南アジアは盲点になりがちなため、この認識を変えたいと思っています。

私たちはフレンドリーなカンファレンスを目指しており、参加者の皆さんが全員と話す機会を持てるように促しています。この点が他のイベントとは少し違うところではないでしょうか。

教育イベント、TCDC (Thailand Creative and Design Center)のキャンパスツアー2015。カッサンディーマーク社はタイ国内の大学でタイポグラフィーと基本的なタイプデザインについてスピーチを行った。


9.ATypI 2019 Tokyoに期待することを教えてください。

AW: 開催場所にちなんだコンテンツがあるといいなと常に思いますが、それぞれのカンファレンスの独自のやり方を尊重しています。なのでサプライズとして取っておきたいと思います。運営するみなさんにプレッシャーを与えたくないんです。


10.紅茶派?コーヒー派?

AW: デカフェです。

BACC (Bangkok Art and Culture Centre)のインスタレーションアート。本プロジェクトでは文化省と連携。Anuthin WongsunkakonとChristian Schwartzが書体をデザイン。Amplitudeのタイ語版を使用し、ポジティブ・リビングイベントの為にデザインした。

2018年11月21日

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type.center編集部

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