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フレッド・スメイヤーズ氏「Walk the line - Type design, practice, and history」

モリサワ文字文化フォーラム「WE LOVE TYPE 2」

フレッド・スメイヤーズ氏「Walk the line - Type design, practice, and history」

2014年11月6日に開催された第15回モリサワ文字文化フォーラム「WE LOVE TYPE 2」のレポート、小塚昌彦氏サラ・ソスコルン氏のセッションに続いて、セッション2-2「Walk the line - Type design, practice, and history」(タイプデザイナー:フレッド・スメイヤーズ氏)を紹介する。


セッション2-2「Walk the line - Type design, practice, and history」

タイプデザイナー フレッド・スメイヤーズ氏

セッション2の後半では、フレッド・スメイヤーズ氏が「Walk the line - Type design, practice, and history」をテーマに講演。リテールフォントが実際にどのように使われているのかを解説した。


想定外の様々なシーンで使われるようになった「Quadraat」

まず、1992年に初めてリリースしたフォント「Quadraat」を紹介。「一番好きな使われ方は、新聞のような出版物での採用である。『London Review OF BOOKS』では1997年から今日までQuadraatが使われている。私はタイプデザイナーとしてこのようなフォントが非常に好きで、Quadraatのテキストを読むのをいつも楽しみにしている」と語った。

一方で、書籍用と考えていた「Quadraat」はポスターや本の表紙、ついには香水の瓶にまで使われるようになり、同氏としては非常に奇妙な展開に感じたようだ。そしてある時、本の表紙に「Quadraat」を使用したグラフィックデザイナーに会う機会があり、「なぜQuadraatを大きく表紙に使ったのか」と聞いたところ、「Quadraatはみんなに親しまれているフォントで、独自の特長を持っているにも関わらず、攻撃的ではないので使用した」との返事だったという。会場では、記念切手やサッカー場の広告看板、髭剃りや食品パッケージをはじめ、様々なものに利用された事例を次々とスクリーンに映し出し、解説を交えながら紹介した。


「OurType」のステンシルシリーズを制作

続いて話は「ステンシル」の紹介へ。スメイヤーズ氏は、文字のステンシルに非常に興味を持っているようで、地域、時代を問わず収集した数々のステンシルと、ステンシルで作られた大きな音符などを紹介。会場では、友人と一緒に開催したステンシル文字の博覧会の様子もスクリーンに映し出した。

最終的には、自身のブランド「OurType」でステンシルシリーズを作るまでになり、これらはアメリカやフランスなど様々な地域で使われている。


2015年1月16日

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人物プロフィール

F
Fred Smeijers

オランダのタイプデザイナー、教師、研究者、著述家。アーネム美術学校(school of art at Arnhem)で学んだ後、リプログラフィ企業オセ(Océ)にタイポグラフィック・アドバイザーとして勤務。その後、創設メンバーのひとりとしてグラフィックデザインを手掛けるクアドラート(Quadraat)の設立に関わる。スメイヤーズが1992年に発表した最初のタイプフェイス FF Quadraatの名称は、このグループ名が由来である。

現代の最も多才なタイプデザイナーのひとりであるスメイヤーズは、様々な種類の特徴的なタイプフェイスを発表してきた。市販されているタイプフェイスとしては他に、Renard (TEFF)、Nobel (DTL)や、2002年に共同設立した企業アワータイプ(OurType)から発表したArnhem、Custodia、Fresco、Monitor、Sansa、Ludwigなどが挙げられる。フィリップスエレクトロニクス(Philips Electronics)、キャノンヨーロッパ(Canon-Europe)、トムトム(Tom-Tom)向けに特別に制作したタイプフェイスやレタリングなどもある。

スメイヤーズの最初の著作『カウンターパンチ(Counterpunch)』は1996年に、ハイフン・プレス(Hyphen Press)より出版された。2001年、スメイヤーズは、タイプデザインへの多大な貢献が評価され、ゲリット・ノルツィ賞(Gerrit Noordzij Prize)を受賞した。そうした貢献のひとつに、これまでの仕事に関する著作『タイプ・ナウ(Type Now)』(ハイフン・プレス、2003年)が挙げられる。

スメイヤーズは現在、アントワープのプランタン=モレトゥス博物館の研究員である。また、ライプツィヒ視覚芸術アカデミー(Hochschule für Grafik und Buchkunst)のタイプデザイン担当教授も務めている。

モリサワ文字文化フォーラム「WE LOVE TYPE 2」

type.center編集部

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