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「単位展−あれくらい それくらい どれくらい?」大日本タイポ組合とギャラリートーク

イベントレポート

「単位展−あれくらい それくらい どれくらい?」大日本タイポ組合とギャラリートーク

0歳から119歳までを文字で表現「年がら年寿」

2月20日から21_21 DESIGN SIGHTで開催されている企画展「単位展―あれくらい それくらい どれくらい?」の関連プログラムとして3月7日、同展企画進行の前村達也氏、同展企画チーム・グラフィックデザイナーの中村至男氏とコピーライターの稲本喜則氏、そして参加作家として大日本タイポ組合の秀親氏と塚田哲也氏の5氏による「大日本タイポ組合とのギャラリートーク」が開催された。

同展は、単位をフィルターにして、デザインや科学技術、日常品、伝統などの世界のひろがりを見てみようという試みで開催されている展示会。大日本タイポ組合は、作家チームとして参加している。

開催直前に来場した秀親氏に対し「リハーサル通り行きましょう」と塚田氏の冗談なのか本気なのか分からない導入のままトークはスタート。前村氏の進行のもと、まずは稲本氏と中村氏より同展の企画アイデアやボツネタ、中村氏の貴重なポスターのラフ案などが披露された。

前村氏は、惜しくも不採用となった同展のサブテーマ案のいくつかを紹介。「単位展という名称は確定していたが、それだけではどんな企画なのか伝わらない。そこでサブタイトルをつけることで、企画の趣旨を明確に伝えたかった」とサブテーマ設定の経緯について説明した。

「1mと光の速度」「このワンダフルなモノサシたち」、さらには「タタンのタン」といった様々なアイデアの中から選ばれた「あれくらい それくらい どれくらい?」について前村氏は「一番面白そうで、今回の企画に相応しいものに決まったと思う」とコメントに一堂も納得。

「東京ドーム何個分?」これも単位

続いて稲本氏は、企画アイデアを紹介する前に「単位」についての自身の見解を語った。稲本氏は、「単位」を「計ることができること」「数字に換算できること」「比べることができること」とし、その役割を説いた上で「これにより数値として記録して情報共有できるだけでなく、過去のものとでも比べることが可能になった」と述べ、現代社会において当たり前のように使われている「単位」の果たしてきた役割を改めて強調した。

その上で稲本氏は、「単位」をテーマとした展示の難しさについて「正直、何をすべきか検討もつかなかった」と明かす。そこで、様々な表現で使用されている「単位」について改めて調査したという。その中で思いついたアイデアのひとつが「東京ドーム何個分」といった大きさの表現手法だ。正確な定義はなく、あくまでもその広さを伝えるためによく使われる表現だが、これこそ「計る」「比べる」といった単位の活用例だと稲本氏は説明する。ちなみに稲本氏の自宅は、東京ドームの0.0012個分だそうだ。

また、違う表現としては、山手線内の面積は皇居44個分。これに対し秀親氏は、すかさず「44個の内、1個は本物ですよね」とツッコミを入れる。これ以外にも相撲の枡席の広さや千利休の茶室の広さ、戦艦大和のベッドやネルソン・マンデラ氏が収監されていた監獄の広さなど、様々なアイデアが出されたことを報告した。

続いて中村氏からは、不採用となった同展のポスター案が紹介された。その中で会場の注目を集めたのが大型の淡水魚「アロワナ」を採用したもの。「アロワナは水槽の中に入れると、その水槽のサイズに育つという。つまり同じサイズの水槽でアロワナを育てれば、同サイズのアロワナに成長する。これを東京ドームと同様に『アロワナ何匹分』といった単位として表現したかった」と語る中村氏だか、残念ながらアロワナ案のポスターはボツとなってしまった。

文字を分解して数字を抽出

残り時間30分程度となったところで、今回のギャラリートークの本来の主役である大日本タイポ組合の出番となる。「今回の展示では、ある単位を別のカタチにして変換し、わかりやすく表現する、といった作品が多い。僕らも、文字の単位をわかりやすく説明することが役目だと考えていた」という塚田氏。当初は級数やポイントなど文字の単位を活用した展示を検討していたそうだが、しかし「まじめに文字の単位を説明するのは難しい(笑)」と気付き、文字による独自の単位というコンセプトのもと作品制作を進めたことを明らかにした。その結果、生み出された作品が「年がら年寿」である。

「年がら年寿」は、漢字やひらがな、アルファベットなど、文字を構成する部分を分解し、読み方や視覚効果などを駆使しながら、0歳から119歳までを単位として文字で表現している。例えば30歳は「汁(三と十)」、また50歳は「吾(五と口)」となる。これまでも文字を分解して独自の読み方を発案してきた大日本タイポ組合だが、「文字を分解するときに数字を単位にして分解したのは今回が初めて」と秀親氏は語る。

「年がら年寿」の制作ついては、各年齢に対し、数種の案を検討する作業を徹底して行ったという。「どうやって案を出したの?」との前村氏からの問いに対し、塚田氏は「本だけでなくPCの文字パレットなどを参考に、ひたすら文字を探した」と制作過程での苦労を説明した。

元々、日本には「卒寿」「米寿」など年齢を表す文字は存在しているが、秀親氏の「これで喜寿や米寿の年だけでなく、0歳から119歳までの間、毎年お祝いしてもらえるようになる」とのコメントには、会場もニヤリ。ぜひ来場して自分の年齢の「寿」を探してほしい。

なお「単位展」の会期は5月31日まで。

2015年4月17日

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人物プロフィール

大日本タイポ組合

秀親と塚田哲也の2人で1993年に結成。日本語やアルファベットなどの文字を解体し、 組み合わせ、再構築することによって、新しい文字の概念を探る実験的タイポグラフィ集団。 文字通りモジモジしながら文字で遊んで21年。 ロンドン、 バルセロナ、東京にて個展を開催。 シンガポール、香港、韓国などでの企画展に参加。 2012年古堅まさひこと共に日本科学未来館にて「字作字演展」を 開催。TokyoTDC会員。

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type.center編集部

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